遺留分額の算定方法
各遺留分権利者の遺留分額の算定方法
各遺留分権利者の遺留分額は,相続開始の当時被相続人が有した積極財産の価額に,被相続人が生前に贈与した財産のうち一定の範囲のものの価額を加算し,その加算額から相続債務(被相続人が生前に負っていた借金)の全額を控除した価額(遺留分算定の基礎となる財産額)を基礎として,各自の個別的遺留分を乗じ,前記加算した生前贈与のうち当該遺留分権利者が受けた生前贈与の価額を控除して算出します。
遺留分算定の基礎となる財産額の算定方法
遺留分算定の基礎となる財産額は以下の計算式のとおりとなります。
遺留分算定の基礎となる財産額
=積極財産の価額+生前贈与額(但し,一定範囲に限る。遺贈は含まない。)
-相続債務の全額
なお,積極財産に加算される生前贈与の範囲とは,相続開始前(死亡日前)の一年間にした生前贈与のほか,贈与者・受贈者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知ってした生前贈与は一年前の日よりも前にしたものでも加算されます。さらに,相続人の中に婚姻,養子縁組のため,もしくは生計の資本の資本として贈与(「特別受益」といいます)を受けた者があるときは,その受けた贈与(「特別受益」)も1年以上前のものを含めて,原則として全て加算されます。特別受益の具体例として,居住するための家屋やその購入資金の贈与等が挙げられます。
遺留分額の算定方法は概ね以上のとおりとなります。もっとも,遺産の評価や加算すべき贈与の有無,遺留分侵害額の計算等,難しい問題がありますので,算定については弁護士にご相談下さい。