遺言はなぜ必要なのか
遺言はなぜ必要なのか
被相続人の意思を明確にしておくことで,相続の手続きをスムーズに行うことができます。また,遺産をめぐる争いを未然に防止するという意味でも効果的な手段となります。
「私には遺言しておくほどの遺産はない」「私の家族は皆仲が良いから,遺言がなくても大丈夫」「特に希望はないし,法律の規定どおりに分けてくれればよい」などという理由から遺言をしないでおくケースがよくみられます。
しかし,遺言がないと,その相続は,法定された手続によって行われます。相続人が多い場合は,遺産分割などの手続に時間がかかることがあります。いくら家族の仲が良いからといっても,相続人の配偶者や子供などの思惑もからんで相続人同士で争いになることも多いものです。また,相続財産の中には,不動産などのように換金が困難なものもあり,法定相続分に従って分けるには難しいケースも出てきます。
このように遺言がない場合に相続について争いが生じたときは,最終的には裁判所の判断に委ねるしか方法がありません。そうなれば時間がかかるばかりでなく,裁判費用など,余計な支出が発生することにもなります。